安青錦
異国に来て活躍できる人を尊敬してる。
自分も小さい頃に言葉がわからない海外に引越した。テストの問題が読めなくて答えられない、みたいなスタートラインにも立てないようなくやしい体験。今思えばそれも含めて得たものも大きく、今ごはんを食べられているのも渡航の経験のおかげなんだけど、やっぱり大変だった。
近所のコンビニに行くと外国からいらしたであろうお姉さんが素敵な笑顔を向けてくれる。コンビニの仕事は多様だ。タバコの番号を言われてすぐ出せないと怒られそうだし、最近はパンや揚げ物も店内で作らないといけないし、公共料金の支払いの対応なんてとてもむずかしそうだ。そもそもレジ操作を覚えるのも大変そう。母国語が話せる日本人の自分でもそう思ってしまうくらい大変そうなのに、そんな中でやさしい笑顔を向けてくれるあのお姉様には畏怖の念を覚えている。
話は飛ぶのだけど、昨年から大相撲を楽しむようになった。祖父母の家では夕方になると大相撲が流れていた。千代の富士、貴乃花、曙。有名な力士の名前や逸話は知っていても、なんで立合いで睨んでは離れてを繰り返すのかもわからない、すこし遠い風景だった。それが去年、わからないことを好きなだけ聞ける相手ができて、急に近くなった。ロンドン公演の場外での力士の人となりに触れて、人としても好きになった。
そんな中で推しができた。安青錦だ。戦地から異国にやってきて、慣習やしきたりの多い相撲の世界で奮闘している。決定打は、大一番に勝った後のインタビューだった。借り物ではない自分の日本語で、周りへの感謝を述べていた。やられてしまった。
推しができるとのめり込む。勝敗に一喜一憂し、優勝の際には声を上げていた。しばらく欠場が続いたけれど、今場所から復帰した。また彼の言葉が聞きたい。
立合いの仕組みは少し理解したけれど、待つことに変わりはない。その時間に力士の背景や戦績をぱっと眺められるものが欲しくて、Fableくんに作ってもらった。名前は、仕切り待ち。
おすそわけします。仕切り待ち